※本ニュースは、英語版で配信されたものを、当事務所で翻訳し、掲載しております。
2022年10月、ルクセンブルク経済省傘下のイノベーション機関: Luxinnovation (ルクスノベーション)とルクセンブルク商工会議所は、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)との協力覚書(MOC)に調印した。その2ヵ月後、ルクスイノベーションは、日本の研究・イノベーションの中心地であるつくば市とも、革新的な企業への相互支援を目的とした協力協定に調印した。
今回、日本からの使節団の訪問は、これらの合意の直接的な結果と言えるでしょう。訪問企業のうち6社はジェトロが、残りの3社はつくば市が招聘した。「今回のビジネス使節団は、ルクスベーションとの協力の素晴らしい成果です」と、ジェトロ ブリュッセルの佐伯 耕三所長はコメントした。
ルクセンブルクの紹介
ルクセンブルク訪問 初日の午前中、使節団はルクスイノベーションを訪問し、参加者はルクセンブルク経済全般と、スマートモビリティ、スマートアプリケーション、スマートシティ、インダストリー4.0、ヘルステクノロジー分野におけるビジネスの機会についてのプレゼンテーションを受けた。また、ルクセンブルクを拠点に国際的なビジネスを展開するスタートアップ企業2社との交流も行われた。その後、ルクセンブルク科学技術研究所(LIST)、ルクセンブルク大学のセキュリティ・信頼性・信頼学際センター(SnT)、持続可能な建設に焦点を当てたイノベーションセンターであるNeobuildを訪問した。
今回のルクセンブルク訪問が、ルクセンブルクでビジネスを始めるきっかけになることを願っている。
次の2日間は、ルクセンブルク経済省、商工会議所、House of Startups、ルクセンブルク市のインキュベーターを訪問し、いくつかの企業とミーティングも行った。
「私たちの目的は、日本から来て下さった方々にルクセンブルクのスタートアップエコシステムを知って頂き、ここでビジネスをすることの意味を理解してもらえるような様々な関係者を紹介することです」と、House of StartupsのプロジェクトアドバイザーであるPedro Ferreira Leal氏とともにプログラムを企画した、ルクスベーションの国際ビジネス開発部門長責任者、Jenny Hällen Hedberg氏は説明する。「この訪問が、最終的には日本とルクセンブルク企業間の協力につながるようなきっかけになることを願っています」。
日本の使節団メンバーは、プレゼンテーションを興味深く聞いている様だった。株式会社森井製作所の参加者は「私たちは、パートナーシップを組める企業や、ヨーロッパ進出をサポートしてくれる機関投資家を探しています。今回のルクセンブルク訪問が、ここでのビジネスを始めるきっかけになることを期待しています」と語った。
音声解析エンジンを開発するリスク計測テクノロジーズ株式会社も同じ目的を持っている。「私たちの技術は、声で表現される感情を理解し、話し手の眠気の程度を特定することができます。これは根本的に新しい分野であり、私たちの製品『Nap Meter』を使って、プロのドライバーや高度な技術を要する作業員の眠気による事故を防ぎたいのです。実証実験を行えるパートナーを探しており、数日中に興味深いコンタクトが取れることを期待している。」と同社CEOの岡崎貫治氏は語った。
ヨーロッパへのマルチリンガルなゲートウェイ
ルクセンブルクのマルチリンガルな労働力と国際的な雰囲気は、ジェトロとつくば市の関心を集めた2つの重要な側面である。「私の意見ですが、4億5千万人の人口を抱えるEU市場へのアクセスを望む企業にとって、ルクセンブルクは最も適した国のひとつです。また、ルクセンブルクは、特にスタートアップ企業分野において、非常にフレンドリーな雰囲気を持っていることもわかりました。ここでは、革新的なビジネスを立ち上げるために必要なサポートを提供してくれますし、ヨーロッパへの素晴らしい玄関口と言えるでしょう」と、佐伯氏は語った。
ルクセンブルクは、特にスタートアップ企業分野において、非常にフレンドリーな雰囲気を持っていることもわかりました。
佐伯氏は、8年前に日本の首相がルクセンブルクを訪問して以来、日本とルクセンブルクの関係は深まってきたと指摘する。ルクスイノベーションとの協力協定は具体的な前進だった。「ルクスイノベーションはとても良いパートナーであり、日本企業が受けられるあらゆるアドバンテージにアクセスできるよう手助けしてくれます」と付け加えた。
佐伯氏は、今回の訪問が新たなビジネス関連の協力関係の礎となることを期待している。「この3日間のプログラムがもたらす最良の成果は、日本企業がヨーロッパ全土でビジネスを展開するための具体的な協力の機会となることでしょう」と話した。