「ケーレブン(Keelebunn)」: 物語のあるインテリアデザイン

※本ニュースは、英語版で配信されたものを、当事務所で翻訳し、補足説明を加えた上で掲載しております。

元の記事はこちら:https://expopavilion.lu/2024/12/13/keelebunn-as-interior-design-centerpiece-with-a-story/ 

大阪・関西万博に出展されるルクセンブルクパビリオンの中心には、遊び心と魅惑的な物語性を備えたユニークなインテリアデザインが施されています。

ケーレブンとは、ナインピンボーリング(ピンが10本ではなく、9本)のことです。伝統的にルクセンブルクの酒場には、この9ピンボーリングが設置されていることから、今回大阪・関西万博のルクセンブルクパビリオン内にも設置される運びとなりました。この9ピンボウリングはルクセンブルクのスポーツ文化の重要な一部であり、同国のチームは国際大会にも定期的に参加していて、昨年春にドイツで開催された世界選手権では銀メダルを獲得しました。現在ではあまり行われなくなったものの、このスポーツとボウリング場の建設はルクセンブルクの文化遺産の一部と捉えています。社会的にも、ボウリングは家族や友人と分かち合うひとときを体現しています。

ルクセンブルクの職人技が生んだサステナブルな作品

これらの要素を、2025年大阪・関西万博のルクセンブルク館の展示にとりいれることは、ごく自然な流れだと言えるでしょう。

今回の展示にあたり、ルクセンブルクの職人と学生たちがチームを組み、世代を超えた共同作業によって、ユニークなオーダーメイドのレーンをデザインすることに挑戦しました。サーキュラー・エコノミーの原則を尊重し、素材はリユース部門から調達しています。そして、ルクセンブルクの職人たちは昔から「やればできる」精神を持ち、解決策が見つかるまで挑戦を続けてきました。その精神のもと、特別にカスタムメイドされた唯一無二の「Keelebunn」が誕生したのです。このプロジェクトは循環型経済の原則にも基づいており、使用された素材は既に別の用途で使われたものを再利用しています。

数カ月間にわたり、同プロジェクトはCNFPC(国立継続職業訓練センター)とLPEM(エミーユ・メッス私立高校)の技術系学生の情熱的なチームワークによって進められました。この素晴らしいコラボレーションは、長い伝統を持つこのスポーツの精神を体現するとともに、万博のサブテーマの一つである「Connecting Lives いのちをつなぐ」を見事に反映していると考えます。

さらに既に引退をしている「ケーレブン」建設の第一人者であるジュルジュ・リンスター(Georges Linster)が、この特別なプロジェクトのりーダーを努めました。彼は父親から受け継いだ家業のボウリングレーン製作を長年手掛けてきた熟練職人であり、これまでに約200本のボウリングレーンを建設してきたのです。(但し、彼の父親はなんと1000本ものレーンを作っていました)。

同チームが作ったレーンは通常の25メートルより短い19.60メートルに設計された、特別仕様です。また今回のプロジェクトの大きな特徴として、ルクセンブルク国内で事前に製作したレーンを、Linster氏と彼の師弟たちが来日し、大阪で組み立てられることが、挙げられます。最近、試験運用も行われ、次のステップとして、ルクセンブルク館のスポンサーでもあるCargolux(カーゴルクス)の協力のもと、日本へ輸送される予定です。※2025年4月1日現在、既にパビリオン内に設置されております。

特別かつ模範的なプロジェクト

コミッショナー ジェネラルのアンドレ・ハンゼン氏は「このプロジェクトは、ルクセンブルクの最も熟練した職人の技術を活かしつつ、若い世代へ貴重な知識を継承するという、模範的な取り組みです。また全国レベルでの職業訓練機関との連携により、唯一無二の作品が生まれました。こうして、ルクセンブルクの伝統が守られ、世界に向けて発信されることを私たちは誇りに思っています。是非、多くの方にこのKeelebunnを体験していただきたいです。」と、語った。

20241212日にグザヴィエ・ベッテル副首相兼外務・対外貿易大臣およびプロジェクトリーダーと関係者出席のもと、ルクセンブルクのエッシェ=シュル=アルゼットのCNFPC(国立継続職業訓練センター)にて、Keelebunn」が正式にお披露目されました。写真は、webサイト からお借りました。

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