2022年が始まりもう1ヶ月ですが、改めまして本年も当事務所の活動へのご支援・ご高配を何卒よろしくお願い致します。
昨年11月に、ピエール・グラメーニヤ財務大臣が一身上の理由で辞意を表明された際には親日派の大臣の辞任を惜しむ声を日本でも多数頂きましたが、後任としてこれまた日本と縁の深いユリコ・バッケス大臣が着任されたのは金融セクターの交流に朗報です。バッケス大臣は、父親の駐在中に神戸で生まれ、親日家のルクセンブルク人のご両親から日本名を授かったそうです。外交官として2度来日した際には私も同僚として一緒に仕事をし、知的で明るい人柄とバイタリティあふれる仕事ぶりに感心させられたものです。ルクセンブルク外交団からEU大使へ、さらに大公宮府長官を経て、ルクセンブルク初の女性財務大臣に就任されたバッケス氏が、近い将来、来日されることを心から願っています。
ダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナウィルス感染者が発見されてから2年になりますが、未だにコロナのニュースに一喜一憂する日々です。次々と変異する見えない敵との戦いは常に手探りで不安になりますが、昨年12月からヨーロッパでも急拡大したオミクロン株への対応も各国様々です。ルクセンブルクでは1月28日時点で新規感染者は増加傾向にあり、様々な職場でスタッフが不足する影響が出ています。政府は50歳以上の医療関係者へのワクチン接種義務化を打ち出す一方、国民に向け「ワクチン接種していても感染リスクがある」との注意を促し、マスク着用や人との距離の確保、定期的なセルフテストなどを推奨しています。また、人口の約半分にあたる325,214回分のブースター接種がすでに実施されました。今年こそは、ルクセンブルクで開催されるテックイベントなどに日本企業の方々をご案内したいと期待しておりますが、果たしてどうなることでしょうか。
「起業する人のうち半分以上が外国籍」、「労働人口の約7割が外国人」というルクセンブルクでは、海外出身のスタートアップがルクセンブルクからグローバル展開を目指すケースが非常に多く見られます。来月東京で開催されるアジア最大のオープンイノベーションイベントである「ILS(イノベーション・リーダース・サミット)」にルクセンブルクから参加する4社のスタートアップのうち、3社がアメリカやシンガポールで起業し、ルクセンブルクから欧州を含むグローバル市場への足がかりにしています。VR等を活用する神経性疾患の早期発見技術や、チームビルディングのためのテレクックサービスなど、ユニークな企業が参加します。
ご好評を頂いている連載企画、「ルクセンブルクワインラボ」のドメーヌ・コックス編後編を公開しました。毎回、取り上げるワイナリーのボトルを揃え、我々貿易投資事務所のメンバーが実際に試飲をした上で執筆しています。今回はルクセンブルク初のオレンジワインに加え、素晴らしいクレマンとも出会えました。コロナが落ち着いたら「ルクセンブルクワインラボ・ライブ」と銘打って、一般の方も参加できるイベントを企画することを目標にしています。
まもなく北京オリンピックが開幕します。昨年の東京オリンピックがパンデミック下でも無事開催されたことからか、今回は開催の是非を問う議論はほとんど聞かれません。東京と同様、一般無観客でバブル方式を採用するそうですが、昨年に続き再び世界のトップアスリートの活躍をテレビ観戦できるのを楽しみにしています。ルクセンブルクからは2名のスキー選手がスラローム部門に出場します。アンリ大公殿下は、今回は国家元首としてではなくIOC理事である個人として北京五輪を訪問する予定です。