今年最初のニュースレターをお届けします。旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い致します。
1月26日に開催したウェビナー『ルクセンブルクの宇宙事業環境とビジネスチャンス』には大変多くのご参加を頂きありがとうございました。ルクセンブルク宇宙局から2名のスピーカーを迎え、日本のスタートアップが現地で支援を受ける具体的方法や、昨年開設された欧州宇宙資源イノベーションセンターの詳細などをご紹介できたことは、日本とルクセンブルクの宇宙分野での交流促進に有意義だったと思います。2017年からルクセンブルクに拠点を置くispaceの中村COOのお話しでは、ルクセンブルクが同社の月面探査ローバーの製造やデータビジネスの拠点として位置づけられていることが紹介されました。今年は4月に宇宙資源をテーマにしてカンファレンス『Space Resources Week 2021』がルクセンブルクで開催されます。宇宙資源探査利活用に関して、科学技術的側面だけでなく、経済性や地上経済との関係、資金面など幅広い議論が行われる予定です。オンラインでも参加できますので、是非ご興味のある方はご検討ください。
また、28日にはルクセンブルク商業会議所、ルクセンブルク経済省と共同で、ルクセンブルク企業向けウェビナー『Go International – Japan』を開催しました。これは、パンデミックのため海外市場開拓が困難な状況が続く中、世界9か所にあるルクセンブルク貿易投資事務所がそれぞれ、事務所を置く市場のポテンシャルやルクセンブルク企業向けに提供するサービスを紹介するシリーズウェビナーの第一回です。ファイヨ経済大臣からのビデオメッセ―ジでは友好国で主要貿易相手国である日本とのビジネスの重要性が強調されました。商業会議所の国際局長、JETROブリュッセル、当事務所からのプレゼンに続き、日本で事業拡大しているつり上げ用スイベルリング製造のCodiproと、昨年日本事務所を開設したソーシャルメディア分析スタートアップのTalkwalkerから、貴重な日本進出の実体験を伺いました。これを機会に、より多くのルクセンブルク企業が日本市場への関心を寄せてくれることを期待しています。
ルクセンブルクについて日本で聞いたことがあるという方は、多くの場合ベネルクス三国の1つとして覚えていらっしゃるようです。ベネルクスはベルギー、オランダ、ルクセンブルク3国を呼び、1944年に締結された域内の関税を撤廃するベネルクス関税同盟に由来しています。1958年にはこれを経済同盟に拡大し、3国間の政治経済の連携を強めたことから、EUの前身とも言われています。同同盟は今日まで続き、4年毎に共同プログラムを策定し、1年交代で各国が議長国を努めています。これまで、三国間で高等教育学位の相互承認や、国境コントロールの作業協力、警察間の協力など日常生活でも協調を深めてきましたが、このパンデミック下で国境管理など同枠組みが役立ったようです。日本でも、ベネルクス三国の大使館は関係が深く、1921年から経済同盟を結ぶベルギーとルクセンブルクは在日商工会議所の共有など、様々な場面で活動を共にしています。
世界各地でワクチン接種が始まりましたが、パンデミックの威力はまだ収まっていません。しばらくは困難な日々が続きそうですが、お互いに気をつけて過ごしましょう。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
ルクセンブルク貿易投資事務所
エグゼクティブ・ディレクター
松野百合子