コロナウィルスに社会全体が翻弄され始めてからもう1年です。ついに日本でもワクチン接種が始まりましたが、今年は出口が見えることを願います。国境を超えることが難しい状況が世界的に続いていますが、外国人労働者の多いルクセンブルクでは、故郷の家族と長期間会うことのできない人々の精神的負担が増えているそうです。ルクセンブルクに居住する労働者239,864人のうち外国籍者は121,463人にのぼります(政府統計局STATECによる)。昨年は、パンデミックによるリモートワークを周辺国からの通勤労働者に適応するため制度を整える局面もありました。あらためてルクセンブルクがグローバルな人材に支えられている事実を認識させられます。

 

東京オリンピックの開催についての決断もいよいよ大詰めを迎えそうです。オリンピックが1年延期になったため、ルクセンブルク選手団の卓球女子のニー・シャーリエン選手は58歳での出場となります。実現すれば卓球のような激しい競技ではオリンピック史上に残る年長者出場記録になります。(ちなみに、71歳でロンドンオリンピックに出場した馬術の法華津選手をはじめ、年長選手には馬術や射撃などの選手が多いようです。)これが自身5回目でおそらく最後のオリンピックとなるレジェンド、ニー選手の活躍する姿を見られることを願っていますが、感染拡大を避けながらの開催を模索する主催者の判断を注視しています。

 

今年のバレンタイン商戦では、ルクセンブルクのチョコレートは残念ながら百貨店に並ぶことはありませんでしたが、通販カタログのフェリシモが毎年2月-3月向けに発行する『幸せのチョコレート』カタログでは、オーバーヴァイス(Oberweis)とゲナヴェー(Genaveh)の一部商品が掲載されていました。特別な日に楽しむ上質なチョコレートは、自粛の続く生活の中で一層輝きを増すようですね。

 

ルクセンブルクの帝人デュポンフィルム社長として活躍された帝人元副社長の山岸隆さんが13日にご逝去されました。初めてお目にかかったのは私がルクセンブルクで同社現地法人を訪問した際でしたが、日本に帰任されてからもルクセンブルクと日本の交流にご尽力頂き、ご多忙の中、大使館のイベントによく顔をだして頂きました。2011年には、ルクセンブルクのギョーム皇太子殿下ご臨席のもと、当時の経済大臣からルクセンブルク功労勲章が伝達された時のことが思い出されます。残念でなりません。心よりご冥福をお祈り致します。

 

ルクセンブルク貿易投資事務所

エグゼクティブ・ディレクター

松野百合子

Menu
閉じる