外出制限の段階解除が開始から2週間半経ったルクセンブルク。5月末までに国民全員抗体検査を実施する方針です。学校再開にあたりどのような具体的対策がとられているのでしょうか?Haag-松村さんからのレポート第7弾です。

レポーター:

ルクセンブルク在住20年

Haag-松村 友里江さん

『ルクセンブルクでは厳しい外出制限が徐々に解除されようととしています。制限が始まった3月16日から今週は8週目です。

既に4月20日から制限緩和の第一段階が始まり、建設工事などは再開され、今は外で働く人の姿が見られるようになりました。公共交通機関や店舗内では、マスク着用が義務になっています。

 

そして5月4日から学校が一部再開されました。今週は高校の最終学年のみ登校が許され、初日の月曜日は96%の最上級生が登校したそうです。例年は、「バカロレア」と言われる高校の最終試験、大学入試と同様の重要な試験が5月に行われるため、大学進学を志す学生は真剣です。今年はこのバカロレアが予定通り行われるか、3月の閉校時点では未定で学生は大変な心境だったと思いますが、このバカロレアも5月25日から行われることが決まりました。

 

中高等学校の他の学年は、5月11日から再開となり、詳細も決まりました。我が家には中学生の娘がいるため、本日、「中高等学校再開において保護者への情報」という紙が教育省より届きました。そちらには、10項目の学校再開の規則について、①隔週登校 ②クラスをAとBグループに分け、クラス半分のみ登校 ③クラスでは新しいことを学ぶ ④家に居る週は教員からの指針に従い復習 ⑤来年度に必要な主要項目のみ学習 ⑥2学期と3学期を統合し、1学期として扱う ⑦語学、数学、主要専攻科目のみテスト実施 ⑧他の科目のテストは無い。課題の評価を行う ⑨学生に有利になるような成績、評価計算を実施。⑩祝日、夏休みは通常通り とありました。

 

また9項目の感染予防策も記されています。先日支給された一人当たり5枚のマスクに加え、学生は一人につき2枚、薄地のネックウォーマーがマスク代替品として政府より支給されます。マスク、又はネックウォーマー等で鼻と口を覆う事が登下校時の義務です。ただクラス内では着用義務はありません。クラス内での着用義務が無いことについて、私は違和感を感じていますが、ルクセンブルクでもやはり疑問を呈する記事がありました。

感染予防策は下記です。①クラスのグループ変更は認めない ②クラス内で2メートルの距離を守る ③登下校中のマスク、又はマスク代替品の着用義務 ④クラス内でのマスク着用は自由 ⑤隔週登校 ⑥定期的な手洗い ⑦各教室に除菌アルコール剤装備 ⑧体育、水泳は不可 ⑨身体が弱く、医師の証明書があれば家庭学習の継続可能

 

我が家は私の母も一緒に住んでいる3世代同居の家庭です。母は65歳以上であるため脆弱性の高い家庭、いわゆる今回の感染症のハイリスク家庭に入るとのことで、希望すれば娘も今学期は家庭学習を選択できるそうです。娘が登校するかどうか、何度も家庭内で話し合っています。現在、ルクセンブルクは新しい感染者数が連日少数に留まっていることや、整った医療体制、Covid-19終息時期が定かでは無いこと、また母と娘自身の意見も聞き、今のところ登校する方向で考えています。

学校では、一人でもクラスで感染者が出た場合は、即CPR検査をクラス全員と担当教員全員に行い、クラスは休校になるそうです。

またルクセンブルクは抗体検査を1ヶ月以内、5月末までに国民全員に行うことを決めています。先週は高校最上級生、またその教員が抗体検査を受けに行ったそうです。今は皆が抗体検査に行くための通知を待っている状況です。既に検査を受けた教員をしている友人の話では、ドライブスルーで検査を受け、同日に結果が出たそうです。抗体についても医学的議論はありますが、やはり調べて欲しいと思っています。また家族全員の抗体についても知りたいところです。』

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